「ヒロさん、この後指名が入っているんですよ」


「OK 俺が行く」



カイトは香帆たちのテーブルに向かった。



カイトが現れるのをいまかいまかと待っていた香帆は酔っていても近づいてくるカイトを敏感に察した。



「カイトぉ 待ってたのにぃ 遅いよぉ~」



うつろな目で出迎える香帆の隣にカイトは座った。



「大変だな」と言うようにヒロはカイトに目配せして席を外した。



カイトが現れたことで香帆たちのテーブルがいっそう華やかになり、ヒヤヒヤしていた香帆の友人たちもようやく楽しみ始めた。



「カイトも飲んで~」



金色の気泡がたった自分のグラスをカイトに勧める。



「頂きます」



カイトは香帆に微笑むとグイッとグラスの中身を飲み干した。