呼吸を整えている花音にカイトは水を持って来た。


「はい」



グラスを渡されゴクゴクと飲み干す。



「キスをしている時は鼻で呼吸するんだ」


「は、鼻・・・」



無性に恥ずかしくなる。



顔を真っ赤にした花音はどうしてよいのかわからない様子で座っていた。



「君が何も知らないと知ってうれしいよ」



手を伸ばして花音の髪に触れる。



――カイトさんの周りにいる洗練された女性のようになりたい。



「お、教えてくれる?カイトさん」


「花音ちゃん・・・」



――花音ちゃんには驚かされてばかりいる。大人びている子かなと思ったが外見と内面のギャップがたまらなく可愛い。



――あの大きな瞳でお願いされたら男なんて瞬殺だな。


カイトがフッと笑った。