ようやく電話を切ると花音に近づく。



足音で花音が顔を上げた。



「ごめんね お客様からだった」



「・・・香帆さんって・・・カイトさんの・・・恋人?」



思わず聞いてしまう。



「恋人がいるのに他の女性を口説く事は絶対にしないよ」



花音の横に座ると肩を引き寄せた。



「カイトさん・・・」


引き寄せられて驚いた花音は顔を上げた。



顔を上げるとカイトの涼しげな眼差しと目があう。



あごにカイトの指が触れると端整な顔が近づいてきた。



花音は瞳に囚われたように動けず、カイトの口付けを受けていた。