「どうしたの?」



青年の後姿を目で追っていく里衣子に花音が聞いた。



「すっごく良い香りだったね~」



花音の返事を聞かずして会計をしている彼を見ていた里衣子だった。



「あの2人、お似合い~雑誌にでも出てきそう」



里衣子が羨ましそうに言う。



「そ、そうかな?」



「そうだよ~ あたしの目は確かだよ?」



そう言って親友の顔を見る。



花音を誘って失敗だったかな?



今日はお化粧もしていて女のあたしから見てもすごくきれいなのだ。



顔立ちがきれいだからお化粧も映(は)える。



花音の隣だとあたしは霞んで見えちゃうかも。