「わたしははるかと申します」


クラッチバッグからブランド物の名刺入れを取り出しカイトに渡す。



――クラブ「カノン」・・?



「今日は手違いで花音ちゃんに飲ませてしまいましたの」



2人が話をしている間に花音は健の腕から抜け出し、よろめきながらエントランスのガラスの扉に向かおうとしていた。



「手違いで飲ませた?彼女は高校生ですよ、あんなになるまで飲ませるなんて 貴方は非常識だ」



カイトは怒りをあらわにはるかに言う。



「はるかさんは知らなかったんです」



はるかのせいにされているようで健がカイトに弁解する。



「お小言は後で聞きますわ とにかく花音ちゃんを・・・」



はるかは華奢なヒールの音を響かせて花音を追いかけて行った。