香帆の話を聞きながら相槌を打っているとその彼女と一瞬目が合った。



が、すぐに彼女は友人に視線を戻して話し始めた。



美しい香帆を前にしているのに彼女が気になる。



「カイトぉ?」



香帆の声にハッとして見ると彼女の頬が膨らんでいた。



「もうお店に行こうよぉ」



カイトを独り占めしたい香帆は食事もそこそこに立ち上がった。



「香帆さん、まだ残っていますよ?」



「え~ もういらないのぉ」



仕事とはいえ、この話し方にいい加減うんざりのカイトだ。



仕方なく立ち上がると伝票を手にしてカウンターに向かった。