4人部屋の病室の窓際で花音は眠っている母を見ていた。


――ママ・・・。


青ざめた顔で眠っている母を見ると涙が頬を伝わった。





「花音ちゃん！」


病室なので小さめの声だが、それでも驚いた女性の声がした。



「はるかさん」


花音は丸いすから立ち上がってきれいな女性を見た。



「はるか」と呼ばれた女性は20代後半になるママの補佐役、クラブ「カノン」を切り盛りしてくれている女性だ。


つまりチーママ。


すらりとしたスレンダーな美人さんで知識も豊富なので会社の社長さんクラスには大人気だとママから聞いている。



「ママはどうなの？もうビックリしちゃって」


はるかは眠っているママを見て腕の点滴の針を診ると顔をしかめた。