ハァハァ、苦しいよ。息が出来ない。
手がしびれるし、脚もだ。・・・
怖い・・・。

藍沢さん!?大丈夫!!?誰か救急車!!

藍沢、何しょんや。

ゆっくり息してください。大きく・・・




気がつくと私は病院のベッドの上だった。
周りは空のベッドで隣には、総務課の緒方さんがいた。
「目覚めた?大丈夫?ここ病院だからね」
優しい口調で声を掛けてくれた。
「両親の方には連絡しているからね。お父さんがもうすぐ着くと思うわ。」
私は頭が混乱して慌てて
「すみませんでした。定時内なのに仕事の邪魔してしまって・・・本当に申し訳ありませんでした。上司にはなんて言ったらいいか・・・」

「私から説明はしておくわ。疲れがたまってたんでしょう。最近みんなピリピリしてたもんね。」
私は緒方さんが伝えてくれるという言葉に何だか少しホッとした。

その時、病院ではありえないくらい大きな足音がこっちに向かって響いてきた。
その足音が止んだと思ったと同時に
「美波!!!」
「お父さん!?」
私のお父さんが目の前で息を切らして立っていた。

「娘がいつもお世話になっています。今回は迷惑を掛けてすみませんでした。」
緒方さんに頭を下げていた。

その様子を見た看護婦さんが
「藍沢美波さんのお父様でいらっしゃいますか?」
お父さんは慌てて次に看護婦さんに頭を下げた。
「点滴がもう終わりますので今からMRIの検査の方をしますのでお父様は少しの間こちらの待合室でお待ち下さい。」
と看護婦さんに告げられた。