「…あ…ありがとうございました…」



言葉に詰まった俺は、またお礼を言った。




「…いえ…そんな…大したことしてないですし…」




彼女は控え目だった。






また沈黙が流れ、頬を赤く染めた彼女が口を開いた。



「…私、八烏七海子(ヤツオ ナミコ)と申します。貴方は??」




「俺は、暁竜。…その制服…同じ高校だ。知らなかった。…君みたいな子がいたなんて。」




「暁…君。…私も知りませんでした。貴方のような方がいらっしゃるなんて…。」





二人の顔は舞い散る桜よりも赤くなっていた。