『なんかあいつ…トラウマがあるらしくて、付き合う彼氏に対しておかしくなるんだって。』


『は??それどういう…??』

俺は意味が分からなかった。


『あれ。離れている時は、一緒にイチャ付きたいらしくて、あいつの半径1mに入ると、怖くなって突き放すんだって。』



今日のあの出来事を思い出した。




あれは、俺のせいじゃなくて、トラウマのせいなんだと思うと、少し安心した気がした。



『でも、本人には自覚が無いらしい…。全く…面倒臭ぇ奴好きになったな、暁。』

電話の向こうから笑い声が聴こえた。