しばらくして、ジュニーパパが屋上にやって来た。

目が赤く腫れていた。

夕日が反射してるのかな…?

ジュニー「パパーッ!!」

ジュニーは無邪気にパパのところへかけていった。

ぎゅっと握りしめられたこぶしを手にとって。

ジュニーパパはジュニーにほほ笑み、そのこぶしをゆっくり開き、ジュニーの頭を愛でるように何度もなでた。

ジュニーパパ「パパ、ちょっと手続きとかいろいろあるから、もう少しここで待っていなさい。」

ジュニー「ママのとこ行っちゃダメ?」

ジュニーの問いかけにジュニーパパは少しうつむいて見えた。

ジュニーパパ「それはできないんだ…。ママちょっと用事があって、急いで出かけたんだ。遠い国に…」

パパの声は震えていた。でも、必死にそれを隠そうとしていた。

ジュニーは残念そうに、ちぇっと舌打ちをしながらも、パパの言う事を聞いた。

ジュニー「うん!まってるねっ。」

にこっと笑うジュニーを見ると、ジュニーパパは下へ降りていった。

幼いジュニーにはわからなくても、少しだけ大人のわたしたちには、パパの言っていることが痛いほどわかった。

苦しかった。