泣いても泣いても止まらない。

涼が来てくれた。
涼が言葉をかけてくれた。
涼が抱きしめてくれた。



涼が―――――私の隣にいる。



なにこれ、涼依存症?

危ないぞ私。

「涼・・・私・・・」

「息、吸って」

「・・・ぇ」

「いいから」

「・・・スー・・・(?)」

「はいて」

「ハー・・・」



「よし(微笑)」



「(ヤバい、可愛い)」

そうだ、あれは私の勘違いだったんだ。
涼が私を無視するなんて、嘘。

ただ私に気付かなかっただけ。
うん、きっとそうだ。


きっと、ただの勘違い。


「部屋、戻ろ?」

「・・・う、うん(誘われてるように聞こえる・・・)」

心の空に、虹が出来てる。
雨はあがっていて、小鳥が歌う。


太陽は私を照らし、雲は私を優しく包む。


私は涼に手を掴まれ、立ち上がった。
かすかに手は震えている。

落ち着け、これはただの涼だ。

そう、幼馴染の涼。

意識するな。


「―――――涼」

京さんが涼を呼ぶ。
私はそれに気付いていない。

ただ、涼が隣にいることに意識を取られすぎて。

「・・・」







「今回は『俺の』だから」