都さんはなにも聞かずにまた台所まで行った。
冷蔵庫を開けてる音がする。

・・・そういやお腹空いたなぁ。

「・・・(もうこの髪飾りも意味ないか)」

私は久々にアップにしてた髪をたらし、髪飾りを取った。
ふぅ・・・なんか疲れたな。

もう、涙も出な―――――。

「あー!!か、髪飾り取っちゃったんですか!?」

「(ビクッ)ぇっ」

「可愛かったのに・・・」

都さんはシュンとした顔でまたやって来た。
しかも両手にはホカホカの肉まんらしきものが。

「どうぞ、お、美味しいですよ!」

「え・・・ど、どうも」

「お口に合うか分かりませんけど、うちの実家が作った肉まんなんですっ」

実家?

私は肉まんの事を聞こうと思ったけど、都さんはパクリと肉まんをほおばる。
・・・ほっぺがフニフニしてそう、可愛いな。

「・・・(大きい肉まんだ)」

「・・・?み、宮比さん?ももも、もしかしてお腹空いてませんですか?」

「(日本語おかしいなぁ)え?あ、いや、美味しそうだなーって」

「あ、え・・・遠慮なく、どうぞ!」

都さんは自信たっぷりな顔で私に言った。
そういや、都さんとこの肉まん似てる。

いや、別に都さんが太ってるって意味じゃないんだけどね。

「(・・・じ、じゃあ)」



はむっ



「ん!おいひぃ」

「そ、そうですか!?良かったぁ(にこ)」

「!(初めての笑顔)」

ジューシーで、お肉がすぐにとろけてしまう。
凄く・・・温かくて、美味しい。

・・・安心する。



ぽろっ



「実は私の実家って、中華レストラン経営してて・・・って、みみみ、宮比さん!?!?」

「・・・うぅ・・・ひっく(涙が止まんないよぉ)」

「あわわわゎ・・・!!!」

私が泣き始めると都さんは立ち上がって、ハンカチを取り出した。
立ち上がる必要なかったのでは?

「な、泣かないで!」

「ひっく・・・都さぁあんっ!!(もうこうなりゃヤケだぁ!)」

「ひゃあいっ!??!」