罪悪感に襲われる私。

ねぇ、待ってよ。
その足を止めて。

涙がこぼれる、嫌だ待って。

『どうして?』

綺麗な星も私には悪魔としか見えない。

どうしよう、ねぇ涼。

私、離れたくない。


 LOVE IDIOT
  遠い存在


「行こ宮比ちゃん」

「・・・(心臓が止まりそう)」

京さんは私の手を引っ張る。
それでも、私は動かない。

動けない。

「・・・宮比ちゃん?」

「ご・・・ごめんなさい、先に行っててもらえます?」

ヤバい、涙が出そう。

「でも」

私は頑張って涙を我慢して、京さんに顔を向けた。
それも、とびっきりの笑顔で。





「―――――大丈夫、後から行きますよ」





「・・・」

「私、ちょっと用事あったんで」

「本当?」

「えぇ、だから京さんはみんなと行ってて下さい」

「・・・」

お願い、早く行って。
じゃないと、涙が。

こ、ぼれる。

「・・・じゃあ、後でね」

「はーい」

そう言うと京さんは行ってしまった。
まだ手にぬくもりは残したままで。

「・・・っく(涼、涼、涼)」

一粒の涙が流れて、その後から止めどなく流れ出した。
心臓が嫌にドクドクと言う。

「涼、りょ・・・う・・・ひっく・・・」

誰もいない玄関。
ただの沈黙だけが私を慰める。

涙の音がただ響くだけ。

「(嫌だよ・・・)ひっく・・・ぅ・・・っく」