「な・・・なに言ってるんですか?」

さっきまで冷ややかに見ていた京さんの存在が、一気に変わった。
予測もしていなかった事態に、汗がドっと出る。

り、涼、マジで早く来て。


* * *



プルルルッ



「(宮比からだ)」

僕は携帯の新着受信をクリック。

・・・にしても、そっけない。


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件名 早く
―――――――――――

裏庭にいる。
早く来てよ。

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そっけなすぎて、むしろ威圧感を感じる。

僕は携帯をしまって、早足で裏庭に向かった。
これでも急いでる方なんだよ。

「(宮比だけなのかな)」





ドーン!





「(始まったか)」

これじゃあ後で宮比に叱られるな。


* * *


「き、京・・・さん?」

私は後ろに下がった。
でも古びた壁が私の背中を強く押した。

「(涼っー!!!)」

「目をそらさないで」

「(目!?)き、京さん!もうすぐ花火始まります!!だから!そ、の・・・近いです!!」

「うん」

「(いや、『うん』って!!)」

私は京さんの目ではなく、京さんの後ろの空を見つめていた。
近い近い近い、近いんだって!!



離れてちょーだいよ!!(焦)



「やっぱ、俺じゃあ駄目?」

「い、いや駄目っつーかなんていうか・・・り、涼のお兄さんなんですよね?だから、その駄目じゃないんですけど・・・こう・・・と、歳の差が?」

「恋愛に歳は関係ないよ」

「(京さんもドS!?!?)」