あーもー、なんでいっつも一行(つか数文字?)しかないんだろう。
私は猛スピードで必要な用件だけ書き込んだ。

もー・・・つまんないじゃん!!

「(このヤロ、このヤロ、このヤロ!!)・・・」

「誰?」

「ぇ、え?あー・・・涼ですっ(送信!!)」

私は間違えてメールを二回送信してしまった。
早く来い涼!



本当にこのままじゃ花火始まっちゃうっつーの!!



「もー・・・(遅い!)」

「あ、星っ」

「え、どこですか?」

「ほらそこ」

そう言うと京さんは夜空を指差した。
一粒だけ地味に煌めいている星がいた。

キレー・・・

「みんなと花火見たかったな・・・」

「なに言ってんの、まだ始まってないじゃない」

「あ、そ、そうすっよね」

あはは、なにを寂しい事を言ってるんだ私。
大丈夫、みんな来る!

「あー、みんな遅すぎ!!涼とかなにやってんのかなっ!本当、ムカつきますよね。そう思いませんっ?」

優しい風が吹く。
なんだか人だかりが騒がしく聞こえる。

心拍数もうるさい。

「・・・宮比ちゃん」

「はい?なんですか?」

花火はあと五秒前だと言うのに。

私の心臓停止はあと一秒。

その前に君は、来てくれる?







「俺じゃあ・・・駄目なの?」







「え」

永遠に待つつもりだけど。