宮比は正直僕のこと、どう想ってくれているのだろう。
いつも僕からはアピールしてても、顔を赤らめるだけで答えてくれない。

駆け引きも良いけど、宮比に辛い思いはさせたくない。

「ん・・・」

「・・・」

ただの幼馴染み。

ただの先輩。

もしかしたら、それ以下なのかも。

そう思うと、急に胸が痛くて。
まるで刀をグサリと心臓に突き刺された様だ。

それか薔薇の棘が刺さった感じ。

どちらにしても、僕には痛すぎる。

「(気付いてる?)」

僕はこれから一体、どうしたらいい?

「・・・ょうさん・・・」

「ぇ・・・」

宮比。
僕は。





「・・・京さん・・・」





「・・・っ」

少し自惚れてた。
夢の中でも僕が宮比のところにいると、そう。



無駄な期待をしてた。



―――分かってる、こんな関係。

僕達には通用しないって。

「(僕が期待するなんて・・・)」

少し頭を冷やした方が良いかもしれない。
少し・・・離れた方が良いのだろうか。

僕はふとんから出た。





ぐいっ





「えっ」

「ゃだ・・・」

無意識なのか、確信してやっているのだろうか。
つぶらな瞳が妖艶だと、僕は思った。

「涼・・・行かないで・・・」

「・・・ん」