『良かったら、お願い出来ませんか?』

『・・・私でよければ・・・』

私は練習通り涼に手をさしのべ、エスコートした。
ヤ、ヤバい・・・

すっげー緊張・・・!

あ、足が震えてきた。
まともに踊れない・・・

「(・・・宮比、リラックス)」

「(ぅ、うん・・・!)」

私達のまわりで踊る他の役者。
そして観客の視線。



『観客は全員カボチャだと思って下さい!』



「(・・・)」

そうだ、観客なんて皆カボチャなんだ。
そう思った途端、緊張の糸がいっきに途切れた。



『見事な踊りでした姫』

『王子こそ、お上手でした・・・』



そして一旦、ステージの裏に戻る。

「(よかったよー宮比!!)」

「(さすが王子!!)」

「(あ、ありがとー)」

い、息が上がる・・・
めっちゃ緊張したぁああ!!(ドキドキ)



『シンデレラの足にピッタリ!なんとガラスの靴はシンデレラの物だったのです!』



ついにクライマックスきたか!
私は涼にガラスの靴を履かせる。

なんつー美脚・・・

『シンデレラ・・・あなただったのですね』

『王子・・・』



『こうしてシンデレラは王子と末永く幸せに過ごすのでした―――・・・』



そして、キスシーン。

私は涼の頬に手をあてる。
ヤッベぇ・・・

ど、ドキドキしてきた・・・!!!

「(手、震えてるよ?)」

「(し、シーッ!!)」


どんどん唇が近づいて、

どんどん距離が縮まって、

どんどん、涼が近くなって。


『ぁ、愛してます・・・っ///』

『・・・私も』

「(僕からキスしていい?)」

「(駄目!)」





私は姫に・・・口づけをした―――――。