「斉藤斉藤って・・・僕はこんなにも宮比を好きなのに」

涼はもっと強く抱きしめる。

「そんなにヤキモチ焼かせたいわけ?」

「ご、ごめん・・・」

そんなつもりじゃなかったのに。
涼、ヤキモチ焼いてくれてたんだ。



・・・嬉しい、凄く。



「でも、涼だって柴崎さんと・・・」

「・・・分かんない?」

「え、なにが―――――」





ドサッ





「ぅゎっ」

白いベッド。

光る部屋。

逆光で見えない涼。





「宮比にヤキモチ焼いてほしかったから」





涼は微笑みながら言った。

「・・・涼、焼いたよ?死ぬほど」

「そうかな?」

「じゃあ全部、演技だよね?」

「うん」

「手ー繋いでたのも」

「うん」

「本当に?」

「そっちこそ、斉藤にキスされそうになってたじゃない」



まぁ・・・



「それは別として?」

「・・・ごまかすな」

「あははー(笑)」

もう怖くない。

こうやって涼と話しても、
こうやって昔を振り返っても。

「プレゼントなにくれるの?」

「それじゃあサプライズの意味がないよ」

「ちゃんと用意してくれてたんだ!」

「一応。彼氏だからね」







『彼氏』







「・・・もう幼馴染じゃないんだね」

「もともとじゃない」

「そうかもね」



・・・お互い好き過ぎて。



「もう離さないでよ?」

「離したことなんてないよ」