クラス全体がどよめきでひっくり返る。

柴崎さんは驚いた様子で私のことを見ていた。
華はハンカチで私の涙を拭いてくれていた。

「みや―――」

「そんなに、嫌いなの?」

涼の表情は変わらない。
そんな涼でも、愛しいと思ってしまう。

「私は涼好きだよ」

「え!?」

「宮比!!」

どんなにライバルが多くたって、
どんなに私にチャンスがなくたって、

私は。



「・・・好き・・・っ」



自然と大粒の涙が溢れてくる。

「だから・・・もし、嫌なところがあったら・・・直すし・・・っ」

この十何年間。

もしかしたら涼を見つめてきたのかも。

「だから・・・っ!」

もう、華のハンカチだけじゃあ止められないほど想い。

どうしたらいいの?
私、こんなにも涼が好きなのに。





「だからぁ・・・っ!!」





涙が止まらないよ、涼。
胸が苦しいよ、涼。



・・・どうやっても、この気持ちは届かないのかなぁ・・・?



「・・・先輩」

「・・・」

「・・・?」



がしっ



「ぇ、え・・・?」

柴崎さんは私の肩を掴む。

「もうこーなったらしょうがないけど・・・」

涙で滲んだ視界。
柴崎さんの顔がまともに見れない。

「実は、」

「(実は?)」

すると涼は、







「・・・全部、嘘だったんだ」