「ちょっと二人・・・」

私は華を抑えようと思った。

「宮比がどれだけ傷ついたと思った―――――」



ガラッ



「人の事情をあーだこーだ言うのって笑えないんだけど」

「!!」

なんで・・・

「か、彼氏のおでましだ・・・」

「え、この人!?」

「思ったよりイケメーン!」

涼、なんで・・・

すると藤堂さんは私の目の前に立った。

「今更なんの用ですか佐山さん」

「と、藤堂さんっ」

あの藤堂さんが。
涼に向かってうつ。

「先輩でも宮比には近づけません」

華まで。

二人は私と涼の間に壁を作った。

「・・・どいてくれないかな」

「出てって下さい」

「華も容赦しません!」



ガラッ!



「一体どうしたっていうんだ!?」

この声は。

「司くんっ!?!?」

「華ちゃん!!先輩まで!」

み、みんな一体・・・
しかも。



「涼っ!?これ一体・・・っ」



柴崎さんまで!!!

な・・・なにがどうなってんのっ!?

「ど、どうして柴崎さんまで・・・」

クラスにどよめきが走る。
私は思わず立ってしまった。

なんか、嫌だ。



恥ずかしい。



「わ・・・私、早退しますっ!!」

「え!?宮比っ!?」

「宮比ちゃん!!」

涼を通り越してドアまで走る。

涼に掴まらないように。
出来るだけ、速く。