「あの時の藤堂さん、髪短かったよねぇ〜」

「新鮮だったよね!」

「いやいやいやいやっ///」

思いっきり手を横に振る藤堂さん。

「そ、そんなことないですよ―――――・・・」





今でもはっきりこの目が憶えてる。
永くんの綺麗なフォーム。

土のにおいがした、あの夏の日。

青い大空と、光る汗と、永くんの声。

「塚田!パス!!」

硬いボールの音。

「!(ぱちっ)」

時々、目があったりして。
その度に永くんは私に微笑んでくれた。

「(永くん・・・)」

無邪気な永くん。
ずっと見つめてた。





私はいつも、永くんの姿にドキドキさせられたっけ・・・





「藤堂さん?藤堂さーん??」

「ぇ・・・へっ!?」

「大丈夫?」

「上の空だったけど・・・」

「だ、大丈夫だよ!!少し思い出にひたってただけだから!(汗)」

そういう藤堂さん。
だ、大丈夫なのか?

「永くんって今度はいつ帰ってくるの?」

「え、永くん?確か・・・冬休みぐらいかな?」

「えっ!?じゃあもうすぐ―――――」



キーンコーンカーンコーン



あら?

「帰ろー!」

「コンビニよるー?」

「一緒に帰ろーぜー!」

「ゲーセン行く?」

どんどん帰っていくみんな。
私と華と藤堂さんはぼーっと流れるみんなを見つめる。

「もう下校時間かー」

「どうする?まだ話終わってなくない?」

「私、司待つけど・・・みんなは?」

「・・・どうする?」

ふと藤堂さんと目が合う。



「・・・もうちょっと、話してよっか(にこ)」