その日の夜はなかなか寝付けなかった。

ふとんの中に入っても、日曜日のことで頭がいっぱい過ぎて。

まるで、遠足前の子供みたいな気分だった。


「(斉藤さん・・・)」


私の胸はわくわくっていうか、どきどきというか。

別に、ラブじゃなくて。

ただ単に、楽しみ。

幸せ。





早く日曜日にならないかなぁ―――――・・・





 * * * 


「おはよー!!」

「あ、おはよー宮比ちゃん」

「おっはー宮比!」

今日は金曜日、金曜日。

やっと金曜日!!
この日をどれだけ待っていたことか・・・

苦手な火曜日の音楽が楽しく感じた。

蹴りたくなる様な木曜日の社会が楽しく感じた。

今日は朝から二時間の理科の授業。
大っ嫌いな先生が担任。



だけど、明後日のためなら!!



「最初、理科だよねっ!♪」

私はカバンから教科書とノート二冊取り出した。
筆箱と、手帳も。

あ、髪しばろー♪

「ど、どうしたの宮比ちゃん・・・?」

「なんか悪いもの食べた?お腹痛い?あ、もしかして頭いっちゃってる??」

「違うよ〜!」

「「(いっちゃってる・・・)」」

「明後日、明後日♪」



・・・『明後日』?(・_・)人(・_・)



「ねぇ、明後日って?」

「なんかあるの?」

「へへ〜♪」

「宮比、そろそろ殴ってもいいかな?」

「殴っても私、竹刀あるよー?」

「私がそんなヘナチョコ竹刀に劣るとでも?」

「思ってるー☆」



バキッ
ゴキッ
ベキッ

ペシッ(←トドメの平手打ち)



「まだ言う?(手から湯気)」

「ま、参りました・・・」