ハスキーボイス。
この声は―――――。

『おー、なんか宮比ちゃん声変わらない?』

「き、今日はなんでいきなり電話なんて・・・ていうか今、仕事中じゃないんですか!?」

『いや、まぁそうなんだけどね。ちょっと話がありまして』

「は、話?」

話なんて、一体。



『まぁ・・・とりあえず驚くと思うよ?』



 * * * 


「都さんが出産っ!?!?」


『驚いた?』

「いや、驚くも何も・・・お、おめでとうございますっ!!」

『うん、やっぱそうきたか』

はい?

「ぇ、ちょっと京さん?そ、それってどういう―――――」





『み・・・宮比ちゃん―――――?』





急に変わる声。
こ、れ、は・・・!!

「み、都さんっ!!!」

『あ、宮比ちゃん!?やーっ///久しぶりー!!』

「お久しぶりですー!!」

『なんか赤ちゃん生んじゃったよー!!///』

「おめでとうございます!男の子!?女の子!?な、名前はっ!?」

『ぉ、落ち着いて宮比ちゃんっ!女の子だよ!!』


お、女の子っ!!!


「マジっすかぁっ!!」

『名前は宮比ちゃんにちなんで宮灯(みやひ)ってつけたのー!「灯」は灯すって漢字!』

私の名前!?
し、白金・・・宮灯・・・

「か・・・可愛い・・・!!///」

『でしょでしょ!?こんど写メ送るねっ!///』

弾む声。
きっと、凄く嬉しいんだろうなぁ。



なんか・・・感動・・・!



「でも、良いんですか?」

『え?』

「名前・・・」

『あー!いいのいいの!!むしろそっちの方が可愛いからっ!!』

「でもっ」

『あのね宮比ちゃん、なんで宮比ちゃん名前にちなんだか教えてあげようか?』



理由?



『宮比ちゃんみたいに、強くて愛らしい子に育って欲しいからなの』

「み、都さん・・・」

『だから、宮灯には将来、宮比ちゃんから剣道教えてもらおうって考えてるんだよっ!その時はよろしくね!』

「わ、私がっ!?」

『ビシバシ厳しく、よろしくねっ』