運命とか、一目惚れとか。
女の子は誰しも憧れる言葉。

「しょうがないじゃん、私、女だし」

私は、信じる派。

運命とか、一目惚れとか。
なぜか女の子は憧れる。

「馬鹿馬鹿しいね」

僕は、信じない。

でも、でも。

もし、そんなことがこの世界中で起ったとしたら。
それでも、君は。

『信じないというの?』


 LOVE IDIOT
  君に首ったけ


結局、その日も勇気を出せず涼に会わなかった。



『早瀬ちゃん!!』



あの声を聞くのが怖かった。

どうしても、あの人の目を見るのが怖かった。
近くに寄れない、私の中の何かが叫び続けるんだ。



『怖い、近づかないで、貴方は違う、お願い、止めて』



「・・・」

涼には会いたい、でも。


必ず隣には柴崎さんがいるから。


「ただいまー・・・」

「あら、おかえり宮比っ。早かったのね!」

「お腹痛くて早退した・・・」

「えっ!?」

「ご飯出来るまで部屋にいるから・・・」

「ぇ、ちょ・・・宮比!?大丈夫なの!?」

「うん・・・しばらくほっといて・・・」



ガチャン



「み、宮比・・・?」





「・・・」

あの人に、私は勝てるのだろうか。
隣に涼という人がいても尚、私は・・・



プルルルッ
プルルルッ



「(電話・・・?)」

まだ学校は終わっていないこの時間に、一体誰がかけてくるっていうんだ?
私はカバンから携帯を取り出した。



ピッ



「もしもし・・・?」

『・・・あもしもし、宮比ちゃん?』





「・・・き、京さん・・・!?」