と、藤堂さん。
お願いだから、嘘だと言って下さい。

どうしても、今の私には到底―――――・・・

「いや、だから・・・さっき本人が言ってたんだって」



信じられないみたいなんです。



「ほ、本人ってどっち!?」

「ど、どっちって・・・た、確か夏先輩の方だったかな?」

「疑問系っ!?」

「(ビクッ)い、いやそうです!!夏先輩でしたっ!!(汗)」

「そんな・・・ねぇ宮比、アンタ佐山先輩となにか―――――」





「・・・っ」





私は、悲しくて悲しくて。
涙がめっちゃ沢山出るほど、この胸がキュウッって苦しくなって。

「み、宮比・・・」

「宮比ちゃん・・・」





「ゎ、私の・・・なにがいけなかったのかなぁ・・・!」





ほとほと、自分に呆れた。

「・・・宮比はなにも悪くないよっ!!悪いのは夏先輩だって!!」

「そ、そうだよ宮比ちゃん!負けないでっ!!」

こんな大切な友達から声援を貰っても。
どうしても、涙は止まらなくて。

「・・・ぅぅ・・・!」

涙と鼻水が混じる。

「み、宮比ハンカチ!鼻かみなっ!」

「ぅ・・・ぅん・・・(チーン!)」

私は鼻をかんだところで、手で涙も拭いた。
・・・悲しい、悲し過ぎる。


胸が張り裂けそうっ!!


「(酷いよ涼・・・!!)」

あの時の熱いキスは何?
あの時の告白は何?

全部、全部、嘘だったの?

森で助けてくれた時のあの言葉。



『僕が、宮比を守るから』



なんだか意味は分からなかったけど、嬉しかった。
あれも、嘘なの?

「ぅー・・・っ!」

全てが暗くなっていく。

真実が見えないよ涼。





私、なんでこんなにも弱いんだろう―――――・・・