私達の目の前に立ちはだかる壁は軽々と飛び越える。

って、信じてたのに。
そう決めてきてたのに。

急に現れた新たな絶壁。

「私、本気だから」

少し、寒いこの風。

焦ることしかできなくて、
行動できなくて。

「(そんな)」

私はもう、君を追いかけられないの?


 LOVE IDIOT
  陸上部vs剣道部


初恋相手が・・・

「わ・・・私・・・!?」

「・・・はい」

い、いや超嬉しいっちゃ嬉しいんですけど・・・
今、この状況で言いますか普通っ!?!?///

「(死ぬ・・・!)き、急ですね・・・!!」

「いや、ホントは前から言おうと思ってたんですけど・・・な、なかなか自信が・・・」

「(そんな前から!?)で、でも―――――」





キーンコーンカーンコーン





え。

「か、鐘・・・?」

「(なんで今鐘が・・・あっ!!!)」



部活が終わる合図の鐘っ!?!?



「す、すいません斉藤さん!私行かなきゃ!!ノート、お願いします!!」

「ぇ、ちょ・・・」

「今度、このかりはお返ししますんでっ!!!」

「ちょ・・・早瀬さぁんっ!?」

私は走った。
走って走って。

それも、涼に会いたくて。

「(まだ終わらないでぇ・・・!)」



今、私って時をかける少女みたい!?



 * * * 


「ま、まだやってる・・・!」

奇跡的に間に合った私は、周りを見渡した。
涼、涼、涼・・・!!



「あれ、早瀬ちゃん?」



「えっ・・・?」

そこには柴崎先輩もなぜかいて。
涼は、どう探してもいなかった。

・・・な、なんで。

「もしかして早瀬ちゃん、涼探してんの?」





ズキッ





『涼』



「は、はい」

な、なに今の痛み。
私は胸を抑えた。

「あー、それならアイツいないよ!今日はなんかサボるっつってたし(笑)」

「さ、サボるっ!?!?」

あ、あの涼が部活サボるなんて・・・

「わ、分かりましたっ!!じゃ!」