翌日。





「私、帰ります・・・」

「ち、遅刻しますって!」

昨日のショックでなかなか寝付けなかったせいか、今頃になって涙が出てくる。
さっきから『お腹が痛いから休む』って言ってるのに・・・



『はい嘘!ケンカなんてそのうち終わるんだから!』



・・・バレバレで。

「やっぱ私帰ります・・・」

「ぇえっ!?!?(汗)」

私は方向を変え、家へと歩き始めた。



「は、早瀬さんってば!!」



なぜ斉藤さんがここにいるのかというと。



『あ、斉藤くん?朝からごめんねー、ちょっと宮比を迎えに来てもらえないかしら?』



・・・なんで斉藤さん知ってんの?

昔からお母さんは内緒話を全て見透かす。


ある意味、怖い(全体的に)。


「だ、駄目ですって早瀬さん!!」

「(涼と会いたくない・・・)」

私の手を引っ張る斉藤さん。
だけど、剣道部の力に敵う訳がなく。

「早瀬さんってばぁ〜・・・!」

「ぅぅ・・・!!」

すると、あれは私の聞き違いだったのだろうか。







「はや・・・み、宮比っ!!」







「っ!」

・・・突然。

私の下の名前を呼んできてくれた。

「・・・す、すいません!ついっ!///(よ、呼んでしまったぁ・・・!)」

「い、いや・・・(『宮比』・・・)」

なんだか、変な感じ。
・・・私は、家に戻るのを止めた。

「・・・」





『・・・っ別に涼には関係ないじゃん!!』





「(な、なんで私あんなこと・・・!!!)」



モヤモヤモヤモヤ・・・



「早瀬さん・・・?」

「・・・」

・・・会おう。

きっと、また涼に会ったら。
あとちょっとだけ、勇気が持てるかもしれない。

「は、早瀬さ―――――」





「―――――ッ宮比でいいです!」





私と斉藤さんは必死に走って、走り続けて。
学校を目指した。

「(ごめん涼っ!)」

なんか、分からないけど。



「(とりあえず、仲良くなっとこう!)」