「なんでって・・・ほら、宿題」

そういうと涼は私に一枚の紙を渡した。




「・・・!?」




こ、これ宿題じゃなくて・・・



この前の赤点テストじゃん・・・!!!



「(にや)」

「(こ、こいつ・・・!!)」

すると涼は私の耳元で、







『逃げられると思ってたの・・・?』







ゾクゥッ・・・!


「さ・・・触るなっ!!!(泣)」

私はテーブルに置いてあったバナナを涼に向けた。
な、なんでバナナ!?(混乱)

「別に触ってないけど。何?触ってほしかったの?」

「し、ししし死んでしまえ!!///(恥)」


久しぶりのこの感覚。


背筋が震え出す。
手には汗、心臓が止まりそうになる。

あとで決まって後悔するんだ。

「じゃ、部屋に行ってるよ」

「ぇ、はっ!?」

「今、お菓子とお茶持って行くねー♪」

「お、お母さんっ!?」

こんな波瀾万丈な日々が私にとっては当たり前のことで、普通というのになかなか慣れなかった。

でも、今はそんなこと言ってられる場合じゃないみたい。
とりあえず、涼を部屋から追い出さなきゃ!!


 * * * 


「ちょっと、プライバシーの侵害!!」

「それ、今更すぎない?」

「全ッ然!!」

私は部屋に入ろうとしている涼を足止めする。
腕を逆方向に引っ張って、なるべく部屋から遠ざける。



はーなーれーろぉー!!!



「ちょっと、痛いんだけど」

「自業自得でしょぉー・・・!!(出てけぇー・・・!)」

竹刀使うぞコラッ!!!(怒)

「・・・ちょっと、宮比」

「なにさぁっ!!(必死)」



パッ



「えっ!?」

急に力が抜ける両手。
涼が私の方に向いた。

「なっ・・・」



グイッ



憶えてる、この感じ。

「―――――・・・っ」

不意打ちの口づけ。
優しすぎて、ドキドキさせた。



―――――まるで、屋上から飛び降りる様な。