涼と私は強く抱きしめあった。
さっきまで震えていたのに、なんだろうこの感じ。

凄く・・・安心。

「どうして、涼・・・」

「え?」

「こんな暗い中・・・どうやって見つけたの?」

「・・・」



昔良く、僕は宮比とかくれんぼした。
宮比は隠れるのが上手く、僕は君を見つけるのに随分と時間をかけた。

『宮比ー?』

この何年間、僕は君を目で追ってきた。
だから、もう分かる。

『みーつけた』

『えー?もー、涼ちゃん見つけるの早いんだから!』

きっと、僕は君の重力でひっぱられているんだ。



「・・・こういうの、慣れてるから」

泣く宮比、雨と涙が混ざる。

「ご、ごめんね涼・・・」

「なんで宮比が謝るの」

「だ、だって、私いつも涼に迷惑かけてるから・・・」

「・・・」

急に涼は私の手をぎゅっと握る。
それがとても、暖かかった。

「・・・冷たいね」

指を絡ませ、私を引っ張る。

「こんなになるまで待っててくれてたんだ」

「・・・(コクン)」

「・・・怖かったでしょ」

「あ・・・当たり前じゃん・・・!」

な、なに私変なとこで意地はってるんだろう。
いやに涙がボロボロ溢れる。

「・・・」

「で、でも・・・」

「でも?」



「私・・・信じてたから」



こんな側に涼がいてくれるなんて、私。
本当は死ぬほど嬉しいんだよ。

まともに目を合わせられないほど、緊張してるんだ。

「・・・」

「だから・・・思ったよりは怖くなかった・・・ごめん、今のウソで―――――」



クイッ