「・・・!」

『だから宮比は大人しくそこで待ってて、すぐ行くから』

「・・・」

ヤバい。

『もしもし、聞こえてる?』

「う、うん・・・!!」

『じゃ、待っててね』

「わ、分かった!!じゃっ!!」



プツッ
プープープー・・・



「・・・」

り、涼・・・
めっちゃ焦ってたよ・・・

あ、あんな涼の声、初めて聞いた。

ていうか、この14年間で涼が焦った時とか見た事無いし。



私に必死になってくれてるんだ・・・!



「ど、どうしよう・・・(すっごい嬉しい・・・!!)」

・・・涼、私いつまでも待ってるよ。

たとえどんなに強い雨が私に降り注いだとしても、雷が木々を激しく打っても。

私、待ってます。
マジで、涼にギュンギュンなんだけど。


ていうか、なんか・・・この感情って―――――。





「み、宮比なんだって!?!?」

「・・・」

「涼さん!!」

「・・・森で迷子だって」



「「「迷子っ!?!?」」」



「はぁ・・・」

見つけ出すと言ったものの、どうやってあの暗いなか宮比を見つけ出せば良い。
下手すれば僕も迷うことになるかもしれない。

どうすれば・・・

「涼、これっ!!」

「っ!」

「早く宮比ちゃん見つけに行くぞっ!!」

兄貴は僕に懐中電灯を投げ渡した。
いや、ていうか兄貴。

アンタも探しにいくつもり・・・?