「え」

『お待たせ』?
この陽気な声の持ち主といったら―――――。

「いやぁ〜良い湯でしたねー!!」

「早く次行こうぜ!」

司と京さん。

あーあー、華ったら司めがけてガン飛ばしてるよー(笑)。
可哀相に、後でケンカになるだろうね(ちょっと面白そう)。

「あ、華ちゃん!」



「ふん!!!(プイッ)」



「っ!?!?(ショック)」

―――――――――――


次の旅館、『タツノオトシゴ』。
な、なんてネーミングセンス・・・

「わー(ここもまた広いですなー)」

タツノオトシゴ温泉は透明な水面に浮かべた、薔薇の花びら。
『薔薇風呂』が有名らしい。

私は襖を開く。



ガラガラッ



「うっわー!!!!!!」

「(すっご・・・)」

さすが薔薇風呂と言うだけはある。

私達の目の前には大きな温泉、それも綺麗な花びらで全面埋め尽くされた、があった。
す、凄すぎて目がクラクラする・・・(カルチャーショック)。

「凄いね宮比!!私初めてこんな綺麗なお風呂入る!!(ハイテンション)」

「わ、私も初めて・・・」

入ってみると、薔薇の香りがした。
でも・・・これはこれで、なかなか良いかも。

「ねー宮比」

「なに?」

「この薔薇風呂ってさぁ・・・」

「?」

すると、また華は変な事を言い始めた。





「男子も薔薇風呂、ってこと?」





へっくしゅん!!


「京さん風邪ですかー?」

「移さないでよ」

「うるせー(誰か噂してんのかな・・・?)」