「・・・ううん、怖くない」
涼は私の頬に手をのべる。
暖かくて、さっきまでの不安が消えていく。
なんか・・・涼がいないと私は情緒不安定なんだな。
この気持ちって、どう説明したらいいんだろう。
分からない。
「宮比、花火行けなくてごめんね」
「うん」
「メールも返信しなくてごめん」
「うん」
「僕は、宮比が好きだから」
「・・・うんっ」
私は、凄く凄く・・・嬉しい。
本当、なんか息出来ない。
嬉しすぎちゃって、鳴り止まないんだ。
幸福の音が。
「(婚約なんて、やっぱり無理だ)」
だって、おかしいじゃん。
この休みで夢にも涼が出てくるほど、私は涼を思ってるって。
こうして目の前にいる涼を見ると、胸の音が騒がしくなる。
昔とは違う、この感じ。
「涼、私悩みがあるんだけどさ」
「なに?」
「・・・涼が目の前にいると、胸が鳴り止まないの」
「・・・宮比」
「これって、なに?」
「・・・それは、自分で見つけてみれば?」
「・・・うん、そうする」
この気持ち、見つけるのはまだほど遠いかもしれない。
でも、止めないで。
大丈夫、絶対見つけ出す。
「・・・」
「りょ―――――」
そして涼はそっと私に触れるだけのキスをする。
いつものじゃなくて、優しいやつ。
ふいうちに驚かせるやつじゃなくて、本当、まるで恋人みたいなキス。
嬉しい気持ちが溢れてくるんだ。