時の間
「宮比、涙拭いて」
「うん・・・ありがと」
涼から白で無地のハンカチを受け取る。
声が震えてる。
「・・・」
「(喋れない)」
「ねぇ、宮比」
「・・・」
「なんで泣いてるの」
プツン
私の中で何かが切れる音がした。
「だ、って。涼・・・わ、私のこと無視して・・・」
「・・・」
「か、悲しかったんだよ・・・(止めて止めてお願い)」
ずっと隠してて、ずっと我慢していた気持ちを私はぶちまけた。
ただ自然に溢れてくる。
「涼・・・花火にこなかったし・・・メールしても返信来ないし・・・」
「それはっ・・・」
「私、すっごいオシャレしてて涼待ってたんだよ・・・」
馬鹿、言い過ぎだよ。
でも、それに気付いたのが遅すぎていて。
涼は、私を優しく抱きしめてきた。
「うん、知ってる」
「・・・なんで、来てくれなかったの」
「道に迷った」
「嘘」
「本当だよ」
「嘘」
「本当」
「嘘だ」
こんな会話をしてても私は嬉しくて。
少しにやけてしまったんだ。
「・・・本当だよ」