「近藤、出て来い。仕度が出来た。」











俺は薩摩の者に連れられて部屋をでる。久し振りの外の光は目を刺激する。













4月25日の昼下がりだった。










桜が満開の花の下に座らされ横には刀を持った者が居る。









そして後ろには多磨の人々・・・







ふと後ろを見ると妻のツネが瞳に涙を溜めてこちらを見ている。









ツネには辛い思いをさせてしまった。5年もの間家と娘の玉を1人で守りやっと帰ってきたと思えば今度は永遠に会うことが出来ない。本当に辛い思いをさせてばかりだった。