「俺には許婚がいた。お小枝は俺の全てを受け入れてくれた。俺もお小枝だけは心から信じられた。だけどある日そんなお小枝が火事に巻き込まれて死んだんだ。俺はそれから人と必要以上に付き合う事が怖くなった。人と深く付き合って親しくなると別れるのが辛くなる。だからそんな思いをもうしたくなくて自分の感情も押し殺して、他人とも深く関わらなくなった。」









「・・・・斉藤さん・・・・」







俺はその声にハッとした。







俺は何を言っている?今会ったばかりのしかも俺よりも歳下の女子に・・・・







「すまん、今のは忘れてくれ・・・」








俺がそう言うと明日香殿が口を開いた。








「斉藤さんの気持ちよく分かります・・・。大好きだった人が突然自分の前から消える。それはどれほど心に負担を与えるか・・・。もう2度とそんな思いしたくないって思っちゃいますよね?私もここに来るまでは他人と付き合うのがすごく怖かった。だけどここに来てそれじゃ駄目だって思える事ができました。新撰組のみんなのお陰で。」










「・・・・」







暫くの沈黙の後・・・