「そういえば」

「はいなんです?」







私たちはソファーに腰掛けていた。







「この屋敷は、女性がほとんどいないんですね」

「ええ。すぐ辞めてしまう人が多いので」







あわ。いきなり声が低くなった。聞いちゃまずいことだったのかな。







「あのお。あなたは僕の前からいなくならないでくださいね」

「え?」

「もう誰かを失うのは嫌なんです。」







海来はいつのまにか涙を流していた。







「安心してください。私はいなくなったりなんかしません。ずっとあなたのそばにいます」

「本当ですね!?約束ですよ?」