「化学そんなに嫌いなのか?俺は好きな方なんだが」

「そーれーはぁ。高橋君が得意だからでしょうー?」

ねぇ?と美月は首を傾げて宏に同意を求めた。宏はそれにうんうんと頷いている。

「別に、そんな事もない」

化学は解いていて楽しいと思える教科だ。好きな理由はきっと数学と同じで、パズルのようにするすると次に繋げて答えを導き出すという感覚が良いのだ。

「取りあえず、始めるぞ」

コソコソと小声で何やら話している2人の肩を叩いて、俺は椅子に腰掛けた。