「……いきなり何ですか」

「ん?キミは、笑顔の練習もしなくちゃいけないなって」

何でこんなにも急に話題を変えてくるんだ。少々どころか、かなり理解不能すぎる彼女の思考についていけない。

「笑顔の練習?」

「そ。良く言われるんじゃない?さっきの笑顔、すっごく作りものっぽかったよ」

「……そんなこと」

そんなつもりは無かったのだが。癖付いてしまっているのだろうか。宏以外に見抜かれたのは、初めてだ。

「うそ。さっき甘いものが好きそうじゃないっていう話してたときに笑ってくれたのと全然違うから。」

目が笑ってないんだもん。

そう言うと彼女は空になったカップに新たにアールグレイを注いだ。