神崎の隣になってからというもの、

授業で二人一組のペアを作らないといけなくなる時には、私は決まって神崎とペアを組まされた。


…加えて、クラスメイトには悪気無くほっとかれる日々。



私ものの子みたいに学校辞めちゃおうかなぁ…

なんてことを思いながらも、そんなことをする勇気は私にはなかった…。




神崎と組まされることが当たり前となってきた頃、なんとなく神崎と話せるようになって気付いたことが一つだけある…。


神崎は性格が悪い。


「…お前、友達いないのか」


突然口を開いたかと思えば、触れて欲しくないことを平然と言ってのけたのだ。


「 あんただって、友達いないじゃん!」

悔し紛れにそう言い返してやると、神崎は顔色一つ変えずに、

「 俺の場合は、"いない"じゃない。"いらない"んだ」

そんなことを言った。



むかつく…

そんな神崎に対し、私は心の中でそう悪態をついた。




「…お前、今むかつくだとか思っただろ」

「思ったわよ。悪い?」


単純な私の思考は神崎にあっさり見破られたようで、指摘されて私はまた不貞腐れてしまう。

開き直って言い返す私に神崎は、


「そんな言い方するから、お前は友達ができないんだ」

と、また失礼なことを言いやがった。



顔がちょっと好みなだけに、悔しさが増してしまう。

神崎は基本的にむかつく奴なのだ。