「ね…この店はなんなの?」




…お酒の匂いと異常なくらいの大人の雰囲気にさっきから場違いな気がしてならない。


「ゴメンね~こんなとこ連れて来て~。」



由樹が苦笑しながら謝った。



「いや…いいんだけどね。」



「実はね……。」



みんなの話によると…
『minami』は確かにお酒を飲む店。



そして、さっきカウンターで会った達哉さん。



あの人は祐哉のお兄さん。



だからお客さんの入らないお昼から夕方は、祐哉の友達とかがよく溜まっている、



いわゆる高校生の溜まり場になっている。


(特に男子。女子で溜まるのはこのメンバーぐらいなんだって。)





祐哉のお兄さんのお店と言うこともあり、



あたしたちは無条件で、夕方になっても



個室を借りてパーティを開けるって訳だ。





「…ってわけだよ♪」


一通り話終えてから加奈はフーっと息をついて、お腹を押さえた。


「あたし、お腹へっちゃったよぉ~。」