「ついた~」


辿り着いた先は…『minami』と書かれた小さなお店。


どこからどうみても…お酒を飲むお店にしか見えない。



「ちーっす!!」



なのにも関わらず、悠亮は堂々と中に入って行く。



【ちょっ…ちょっとぉっ!】


心で叫んでも悠亮に届くことはなく…

躊躇しながらも、後ろを俯き加減でついて行った。



お店の中はあたしの予想通り…。




いや…予想を遥かに越えるオトナな雰囲気を醸し出している。


「おっ悠亮!」



バーカウンターに立っていた優しそうな若いお兄さんに声をかけられた。



「達哉さん久しぶりです!」


「おう。…アレ?後ろのコ見慣れねーコだな。」



いきなりあたしに視線が向けられ、うつむきながら軽い会釈をしてみる。