「あ…メール…。」
突然、タイミング悪く悠亮のブレザーの
ポケットの中で携帯が震えた。
「誰から??」
「ん…智樹だよ。」
「智かぁ~」
「なんか…大事な用みたい。見てい?」
「うん、いいよっ」
そう返事をすると悠亮の手と離れた冷たい指先に息を吹き掛け暖める。
携帯を見ている間の数秒ですら少し寂しく感じた。
「陽菜、今から空いてる?」
「うん、空いてるよ?」
「じゃあ行こう!!!」
「へっ!?」
再び繋がれた手を引っ張られ小走りでどこかに向かった。
全くわけもわからないまま…。
「ね…何処行くの?」
「いーからっ!」
そういうからあたしも黙って導かれる方について行った。