ゆっくり体を離すとあたしの頬にそっと触れ、
目元の雫を指先でそっとすくってくれた。



「もう泣くな?」


「うん。悠亮ありがと。」

「おう。…じゃ戻るか。」

「そうだねっ。」



さっきまで悲しかった。


なのに、悠亮の言葉で
笑顔になれた。



あたしを必要としてくれる人はいるんだってわかったから。


【ずっと…そばにいる。】


教室に戻りながら、
悠亮の広い背中に誓った。