その事があたしの中でずっと壁を作っていた…。



どうして。


圭斗も奈摘もあたしに言ってはくれなかったのか。



「なんで…言ってくれなかったの?」


あたしの言葉に圭斗はふっと笑った。


「なんで全部お前に言わなきゃなんねーんだよ。」


「え…。」



【ナンデゼンブオマエニイワナキャナンネーンダヨ。】



確かに聞こえたこの言葉。



圭斗があたしに言ったの?
本当に?
空耳…じゃないよね?



「お前だって言わねーだろ?俺にそんな事。」



確かにそうなのかもしれない。
男の圭斗と女のあたし。
そんな話をするのは
おかしい事なのかも知れない。