学校に着いて、いつもなら真っ先に話しかけて来る奈摘が今日は来ない。



昨日あんなことがあったから。



【圭斗に告ってんだ】


嫌ってほど鮮明に蘇る昨日の光景。



【陽菜にだって言えない事はあるよ】


そう軽々しく言った奈摘が信じられなかった。


あんなに支えあってたのに。

裏切られた気がしていた。


それ以上思い出す前に加奈と由樹に現実に連れもどされた。


「陽菜おっはよーん★」


奈摘の変わりに加奈と由樹が話しかけに来てくれた。


「加奈、由樹おはよぉ。」

「陽菜??元気ないねー。」

心配そうに由樹が声をかけてくれる。


「そんな事ないよっ!!大丈夫っ♪」


「そっかっ。よかったぁ★」


これ以上考えてしまえば沈んでしまう事は目に見えてる。



この気持ちを押さえるためには、


奈摘とも圭斗とも話さないほうが得策だとあたしは考えた。


話してしまえばこの気持ちが募るだけ。



今いる友達とたくさん楽しもうと思った。