ブツブツと怒る先生の声を無視して教室に上がった。


朝学活前の教室のにぎやかさは廊下中に響き渡るほどだった。


「みなさま~おはよー♪」

教室のドアを開けるなり、大きな声で挨拶する。

これが毎朝のあたしの日課。



「あっ陽菜、おはよん♪」


そして毎朝必ず一番に返事を返してくれるのは奈摘。

片桐奈摘【カタギリナツミ】。


入学式の日、知り合った女の子。スタイルはいいし、顔立ちもいい。メイクも上手くて大人っぽい。


身長小さくて、外見コドモっぽいあたしからしたら、すごくあこがれな存在。


「あっ。陽菜、服装検査どーだった?」


「怒られたよぉ~。」


「だーよねぇ?あたしなんか化粧落とせって言われちったよ♪」


「それだけメイクしてればね…。」



あたしは少し苦笑いを浮かべる。