「ぶは、なんで泣きそうなんだよ。」
そういいながらあたしの顔をみて悠亮は笑ってる。
「なんであたしなの?」
「なんでって…好きなのに理由はいらねーだろ。」
「なにそれー。」
って悠亮の曖昧な答えに少し膨れてみる。
「ねねっ陽菜、上みてっ!!!」
「え…。」
悠亮に促されながら上を見上げる。
空には、たくさんの星と綺麗な形の三日月が輝いていた。
昼間はあんなに曇っていたのに。
いつの間にか星空が姿を表わしていた。
「う…わぁー。綺麗」
こんなふうに夜空を見上げたのはいつぶりかな。
「綺麗。」
「すごいよな。」
短い会話をしていたら、
隣りで悠亮はおもむろに携帯を取り出し、
夜空に向けて携帯を持つ手を伸ばした。