振りかえると…そこには、背の高い、…男の子がいた。



同じクラスの悠亮だ。


「なんだよ~、俺ら話しかけてるだけじゃん。」


「一斉に話しかけるな、困ってんじゃん。」


「ゆーちゃんのケチぃ。」


あたしはそのやりとりをボーっと眺めていた。

また悠亮に話しかけられるまでは。



「ごめんな?コイツら騒がしくて。」


「あ…いえ。大丈夫です。」


初めて話す人を目の前にして、自然と敬語になる。


「そっか。」


そう言って悠亮は、優しくほほ笑んでくれた。