急いで階段を掛け降り、昇降口に向かった。
すると、近付くにつれて楽しそうな声がする。
少し警戒しながら声の場所を覗いて見ると、複数の男女が仲良さそうに話していた。
同じクラスの仲良しグループだ。
あたしは少し戸惑っていると、メンバーの中の一番小柄な女の子があたしを指差し、『あっ♪』と叫ぶ。
「陽菜ちゃん来たよぉ♪」
小柄な女の子…加奈の声で全員がこちらに振り返った。
「陽菜ちゃーん!!」
「具合は大丈夫?!」
「ちゃんと話すの初めてだな。」
「仲良くしてね~♪」
一気にあたしは囲まれて次々と話しかけられた。
どうしていいかわからず焦っていると…。
「お前らやめろよ。困ってんじゃん。」
聞き慣れない声が後ろから聞こえた。